スタッドレスタイヤの効きのメカニズム
アイスバーンを走行する時には、路面とタイヤの間に溶けた水の膜が出来て、このために滑るという現象が起こるのですが、 タイヤと氷の間にできる水の膜を取り除くことによりグリップ力が上がります。また、雪道では、路上の雪をしっかり噛んでグリップ力を得るために深い溝が作られています。そしてタイヤが柔らかければ路面の凹凸にフィットしやすくグリップ力が更に上がります。タイヤの溝が深く、排水しやすいパタンやゴムのやわらかさがポイントになってくることがよくわかりますよね。
国産スタッドレスをお勧めする理由
スタッドレスタイヤは水履けを良くし、路面との間に摩擦を発生させることが大事なポイントになることは前に述べましたが、日本のスタッドレスタイヤは、欧米のものと比べると雪質の違いから特殊な仕様になっています。日本の雪は水を多く含むため、非常に溶けやすく、溶けたときに水の膜ができやすいですが、欧米では、凍結しても氷が溶けにくい地域が多く、路面がビシャビシャになることは少ないのです。そのような冬の路面の特性の違いから、海外、特に欧米製のスタッドレスタイヤは吸水にあまり重点を置いておらず、日本の道路では効果を発揮しにくいというマイナス面があります。日本の冬の道路に適したスタッドレスタイヤは、やはり国内メーカーのものを選ぶのが安心です。
高速道路をよく利用する方には
国産スタッドレスは、タイヤの柔らかさに重点を置いているので真冬でもしっかりグリップ力を発揮しますが、その反面、高速道路を走行するには不向きです。柔らかいが故に摩耗が早いのです。タイヤが硬く、摩耗しにくいヨーロッパ製のスタッドレスの方がむしろ適合しています。”ピレリ”などは高速道を走行するに適したスタッドレスタイヤだと評判も高いです。
スタッドレスに履き替えてていないと危険
雪のシーズンになってもノーマルで走行している車を見かけますが、ノーマルタイヤでは水の膜を排除できないため、水の上をタイヤが空回っているような状態（ハイドロプレーニング現象）になり、非常に危険です。私も若い頃にシャーベット状の路面で横滑りして反対車線に突っ込みそうになったことがありますが、あの時の事を思い出すたびにスタッドレスタイヤの重要性を感じています。圧雪時よりもむしろみぞれ交じりのシャーベット状の時がより危険だと思います。路面の水分を吸収して水はけのよい国産スタッドレスはなくてはならないタイヤです。
